学会期(第 35 回日本脳卒中学会総会)に参加して私は4月15日から開かれた第35回日本脳卒中学会総会に参加しました。学会のテーマに基づき、脳卒中の病因、診断、治療、リハビリテ−ションなど9つのサブテーマに分かれ活発な発表と討議がなされました。外国からの招待講演も、血栓療法で有名なMarkku Kaste教授や皮質下梗塞についてOscar Benavente教授の講演を聞くことができ、最新の情報と知識を深めることができました。今回の学会のテーマである「脳卒中撲滅」―社会とともに―では、学会の社会的責任として平成20年に脳卒中対策基本法の早期成立と法制化を政府に申請し、脳卒中の病態解明、治療法を開発し、総合的かつ計画的な脳卒中対策について検討し、国民の福祉に寄与して行くという脳卒中学会の明確な姿勢が示されていたと思います。近年、高齢者の脳卒中発症リスクが高まることが指摘されていますが、脳卒中にともなう認知症や高次機能障害についての発表もあり、あらためて脳血管障害の重要性を再認識し神経内科医としての役割を自覚する良い機会でした。今年は季節外れの寒さで私が盛岡に到着した日には町中に小雪がちらついていましたが、将来に向けての具体的な課題に積極的に取り組もうとする学会の熱気が伝わる素晴らしい学会だったと思います。(池田将樹)
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